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本の紹介(No.1)
「国史大年表
」、「徳川実記」
この年表は、神武天皇即位から昭和9年までの日本国内で起きた
政治・経済・文化その他諸部門にわたる出来事を記述している。特に
政治と宗教においての人事、行政については事細かに詳細に明記されて
いる。但し、一般社会で起きた事件などについてはあまり書かれていない。
江戸時代を代表する事件の一つとして江戸城「白木書院の廊下」
における刃傷事件について、2つの年表を比較してみよう。この事件が
起きるおよそ一ヶ月前の2月4日浅野長矩に「勅使饗応掛」が命ぜられた。
3月14日に行われる公卿達の饗応のため、2日前の12日に勅使前大納言
柳原資廉卿、前大納言高野保春卿、院使清閑寺
前大納言熈定卿らが
江戸に到着している。14日は、朝公卿達が将軍への拝謁のため集合
していた。このようななかで
刃傷事件が起きたのである。
「国史大年表」には、事件の起きたことについて明記されているが、
詳細については全く書かれていない。これに対して、「徳川実記」元禄14年
3月14日については人の動きが非常に細かく明記されている。ここで
書かれている人の動きは、全て正しいものかどうかはわからない。別の
記録によると「梶川氏筆記」(御留守居番梶川與三兵衛頼照)では
「徳川実記」以上に細かく書かれている。
少しわき道へ反れたが、「国史大年表」は事象を系統的に追って
いくのに最適の年表であり、これに対して「徳川実記」は事象の状況を
捉えるには非常に良い資料といえるであろう。但し、「徳川実記」は
幕府側からの資料が中心になっているため、騒擾、一揆などについては、
あまり記述されていない。
(M.D)
参考図書 赤穂義人纂書 赤穂義士資料大成 全3巻(日本シェル出版)
百姓一揆の年次的研究(新生社 青木虹二著)
(国史大年表 昭和10年・平凡社 全7卷)
(国史大系 徳川実記 昭和8年・吉川弘文館 全12卷)
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