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本の紹介(No.2)
「索引政治経済大年表」
年表編
この年表は、天保12年から昭和15年までの100年間日本国内で
起きた経済を中心としてこれに政治及び社会の動きを記述している。
この年表は、索引編と2冊組になっているが、年表編だけでも十分
活用できる。各省庁から出される経済に関する通知・通達の類から
国会に出された政府案、会社の合併、会社間の協定、公債・社債の
発行、金利などかなり細かく明記されている。ある項目について追跡
していくと、相当のところまで明確になる。現在、政府あるいは業界団体
などが発行しているものでも、この年表ほど細かく出ているのはあまり
目にしたことが無い。
例えば、昭和大恐慌があった年を見てみよう。昭和2年3月4日、
衆議院で震災手形処理法案、震災手形損失補償公債法案が可決して
いる。この法律が契機となって銀行の休業が相次いで起きてくることと
なった。3月14日には、「渡辺銀行」の破綻について衆議院予算総会に
おいて言明したことから、実際に破綻に追いこまれてしまった。その後、
多くの銀行が破綻していくことになった。4月15日に「台湾銀行」の救済に
ついての緊急勅令案が枢密院精査委員会で否決された。17日の
枢密院
御前会議でも同じく否決され、内閣総辞職した。18日には台湾銀行本店が
取付け騒ぎとなり本支店一斉休業に入った。
この年表は、小説を読むが如くに極めて精細に書かれている為、
調べようとする項目をメモしていかないと、何時の間にか他の項目に
目移りしてしまうことがある。一方、参考図書にある「日本社会経済編年史」
は項目の取扱いが若干大雑把のようである。残念ながら、昭和2年の
出来事は乗っていないため比較対象は出来ない。また「世界経済年表」に
おける昭和大恐慌の記述は、銀行の破綻については書かれているが、
細かさの点では東洋経済新報社版の大年表には及ばない。
但し、岩波書店版は海外での出来事を併記しているので、海外との比較を
行う場合はこの年表は資料として使用できるであろう。(M.D)
参考図書 日本社会経済編年史(昭和3年・改造社)
世界経済年表(昭和12年・岩波書店)
(索引政治経済大年表 昭和18年・東洋経済新報社)
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