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本の紹介(No.5)
「
徳川理財会要」
この書籍の原本は、刊頭の解題によると、明治11年大隈重信が
大蔵大臣の時、同省内に「理財会要取調掛」を置き、徳川時代の
財政に関する事蹟の沿革を編纂することで作成されるに至った。
いろいろな経緯があったが、原文そのままの抄録本74冊が
「理財会要」の
原書と命名された。その後、明治16年に松方大蔵大臣の時、不完全の
個所があったため刊行に至らなかったが、瀧本(誠一)博士の努力により
刊行される事となった。現在所蔵の
「
徳川理財会要」は白東社から
昭和7年に発行されたものである。
ところで、
この書籍は総ページ数1220ページにおよぶ大きなもの
である。すべてのページに目を通すのは簡単ではない。目次を紹介
すると次の通りである。
第一門 職務
第二門 歳入
第三門 歳出
第四門
錢穀
第五門 地方
第六門 営業
第七門 外国通商
第一門から第七門までの下に、通しで巻1から巻38まで設定されて
いる。因みに巻六の「雑収ノ部」は税金について次の通り規定されて
いる。
工商税、地税、醸造税、船税附車轎税、
車轎税、鯨漁税、小普請税、
収税雑規
工商税は、慶長14年、朱座を創設し毎年9月税として銀1700枚を
徴収する、こととしたものが最初である。その後、「染匠税」「箔座税」
「営業鑑札税」「十組問屋への上納金」など、いろいろな理由をつけて
税金を徴収している。
現在定められている各種の税金とほとんど同じように徴税されていた
のである。また、「第四門
錢穀」の巻十七は、幕府における金銀銅鉄
真鍮などの貨幣の沿革、通用行使の規則、私鋳の禁止、兌換価格、
金銀銭座の廃止
など貨幣についての慶長九年からの歴史が明記されて
いる。
このように、
「徳川理財会要」は徳川幕府が行っていた財政について、
非常に詳しく明記されている。徳川幕府の財政については本書を参考に
する事で概略はほぼ把握できるものと思われる。
(M.D)
(大蔵省編纂・昭和7年・白東社)
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